Q1 死亡事故の積極損害
夫(40歳・会社員)が交通事故で死亡しました。今後加害者側に損害賠償請求をする予定でいます。事故によって出費を余儀なくされた経済的損害を積極損害ということを知りましたが、具体的にどのような損害をいうのでしょうか。またどの程度請求できるのでしょうか。
死亡事故の場合の積極損害の範囲および算出方法は次のとおりです。
積極損害とは、交通事故がなければ支出しなかったと考えられる費用、つまり事故があったために増加した支出で、積極的に減少した財産の損害をいいます。交通事故によって被害者が負う積極損害としては、治療関係費、付添看護費、通院交通費、雑費、葬儀費、弁護士費用などが挙げられます。加害者に損害賠償請求をするにあたって、被害者が被った損害のすべてを交通事故による損害として主張できるわけではなく、加害者の行為と「相当な因果関係(相当因果関係)」のある範囲」での損害としています。
損害額の算出についても、従来はそれぞれの項目ごとに個別的・具体的な事情を考慮して算出していましたが、交通事故訴訟の増加に伴い、事故を迅速に処理することを目的とし、裁判実務では損害賠償額を金銭的に一律に定め(定額化)、算定も一定の方式で行う(定型化)という方法がとられています。
死亡事故の積極損害
死亡に至るまでの治療関係費
事故後死亡するまでに一定の期問があって、その間に入院し、治療等をうけたりした場合の治療費(鍼灸、マッサージ費用など)、入院費などの必要かつ相当な実費全額が認められます。ただし必要性、相当性がないときは過剰診療、高額診療として、認められない場合があります。
付添看護費
医師の指示などで付添看護が必要と判断された場合で、職業付添人の部分には実費全額、近親者が付添ったときは、入院1日につき6,500円程度が被害者本人の損害として認められます。
入院雑費
入院中の諸雑費は入院したという事実があれば、1日当り1,500円程度の額が損害として認められます。
通院交通費
受傷の程度などによりタクシー利用が相当とされている場合以外は、電車やバス等の公共交通機関利用が原則です。看護のための近親者の交通費も被害者本人の損害として認められます。
葬儀関係費用
葬儀費用として原則150万円程度が認められます。これを下回る場合は、実際に支出した額を請求します。葬儀関係費用として、仏壇、仏具、墓碑建立費を認めた事例もあります。
その他
以上のほか、事故との間に相当因果関係が認められるような損害がある場合は、損害賠償として認められる場合があります。


