物損事故(物件損害)
物件損害とは、自動車、建物その他の物件が侵害された場合の損害であり、修理費や代車代、評価損(格落ち損)などのことをいいます。物損事故の場合は自賠責保険では補償されませんので、自損事故保険や車両保険などの任意保険でカバーし、不法行為責任で損害賠償を請求することになります。損害賠償を請求する相手は加害者車両の運転手とその使用者に限られ、さらに過失があったことを立証する責任は被害者側にあります。
車を破損した場合
| 修理費 |
修理が可能な場合は、適正修理費相当額が認められます。 なお、車の物損事故は修理費用の賠償が原則です。 |
|---|---|
| 買替費用 |
全損の場合、車両時価額(事故当時の中古額)および車両を購入する際に必要とされる諸費用(登録手続関係費)を買替費用として認められます。ちなみに全損には、物理的物損(技術的に復元することが不可能な場合)と経済的物損(技術的には復元が可能だが、修理費用の方が車の時価額を上回る場合)があり、後者の場合も全損とみなされ、修理費ではなく買換費用を損害とします。 新車購入日の事故であっても新車の買替費用の賠償は認められません。 |
| 格落ち (評価損) |
修理しても外観や機能に欠陥を生じ、または事故歴により商品価値の下落が認められる場合に認められます。 |
| 代車使用料 |
車の買替えまでの代車使用料および修理期間中の代車使用料 一般的に、1,2週間くらいが普通ですが、部品の調達や車両入替の必要がある時は、長期間認められる場合があります。営業に使用している車の場合は、代車使用料として認められますが、マイカーの場合は公共の交通機関が利用可能な場合などは認められないケースが多いようです。 |
| 休車損害 | 事故により破損した車を買替え、あるいは修理をする間、当該車両による稼働ができなかった場合に車両を稼働していれば得たであろう営業利益の損失をいいます。緑ナンバーの営業車の場合には休業損害を請求することができます。代車料が認められるときは、休車損害は認められません。 |
車以外の破損の場合
| 店などの破損 | 建物の修理費、物品の修理・交換費、後片付け費用、休業補償などの合計が認められます。 |
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電信柱や 堀の破損 |
新品の価格(新しく作る費用)を弁償しなくてはいけません。 |
格落ち(評価損)
自動車は一度事故にあうと、どんな十分な修理をしたところで、その価格は下落します。これを格落ちと言います。例えば、事故にあう前は時価150万円の自動車が事故後、修理を終えて一見元通りに戻ったが、その車の時価が120万円になってしまったとすると、この差30万円が格落ちです。事故にあった車は、専門家が見ればすぐに分かります。この格落ち価格は、通常修理工場が査定しますが、だいたいは勘ですから、あまりあてになりません。判例も購入代金や事故直前の時価の1割、修理費のほぼ3割、修理費の5割を超えない範囲などと分かれますが、だいたい修理費の3割または事故直前の時価の1割程度といわれています。
物件損害に関する慰謝料
物損の場合、請求できる損害は財産的損害のみであり、基本的に精神的損害(慰謝料)を請求することはできません。慰謝料請求権は本来人損事故に限らず物損事故の場合も発生するべきですが、判例によりますと、被害者が財産を侵害され精神的苦痛を受けたときでも、その財産的損害が賠償された場合には、通常これによって精神的苦痛も慰謝されたとし、物損事故に対して慰謝料は原則認められません。


