2 後遺障害がない傷害事故の場合
事故で負傷することによって被害者は苦痛や不快を感じますし、それは治療期間中も傷害が治癒するまで継続します。このような精神的損害に対する賠償が慰謝料で、後遺症慰謝料と区別して傷害慰謝料ともいいます。傷害慰謝料は、入通院の日数・期間を基準として考えます。傷害の程度などにより入院1カ月について35万円~53万円くらいの範囲(赤い本)とされています。(下記別表1および2を参照)
また自賠責保険基準では、日額4,200円として、被害者の傷害態様、実治療日数を勘案して治療期間の範囲内で考えられているようです。なお、保険会社の基準はこれよりも低額になっています。
入通院慰謝料基準(「損害賠償額算定基準2009」(財)日弁連交通事故相談センター東京支部)
傷害慰謝料については、原則として入通院期間を基礎として別表1を使用します。通院が長期にわたり、かつ不規則である場合は実日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがあります。被害者が幼児を持つ母親や、仕事等の都合など被害者側の事情により特に入院期間を短縮したと認められる場合には、上記金額を増額することがあります。
なお、入院待機中の期間及びギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は、入院期間と見ることがあります。傷害の部位、程度によっては、別表1の金額を20%~30%程度増額します。生死が危ぶまれる状態が継続したとき、麻酔無しでの手術等極度の苦痛を被ったとき、手術を繰り返したときなどは、入通院期間の長短に関わらず別途増額を考慮します。
むち打ち症で他覚症状がない場合は別表2を使用します。この場合、慰謝料算定のための通院期間は、その期間を限度として実治療日数の3倍程度を目安とします。
入通院慰謝料

【表の見方】 入院のみの場合は、入院期間に該当する額(例えば入院3カ月で完治した場合は145万円となります。)、通院のみの場合は、通院期間に該当する額(例えば通院3カ月で完治した場合は73万円となります。)、入院と通院があった場合は、該当する月数が交差するところの額(例えば、入院3カ月、退院3カ月の場合は188万円となります。)が慰謝料の基準となります


