慰謝料
交通事故で負傷しますと被害者は苦痛や不快を感じ、それは治療期間中も傷害が治るまでずっと継続します。このような財産権以外の損害すなわち精神的、肉体的苦痛による損害に対する賠償を慰謝料といい、金銭に評価して賠償額が決められます。
慰謝料は精神的な損害に対する賠償のため、本来は決まった算出方法はなく、下記の事由から裁判官の自由裁量に委ねられるべきものです。しかし交通事故については被害者によって額の差別化をすべきではないという考えから、現在では被害者の年齢、性別、家族構成などによって慰謝料を定型・定額化する傾向にあります。
考慮される事由
| 加害者側の事情 | 被害者に対する誠意 加害者の年齢・職業 |
|---|---|
| 被害者側の事情 |
傷害の部位、程度、後遺症の程度 年齢、性別、既・未婚の別 職業 生活状況 家庭状況 |
近親者の慰謝料
被害者本人が生命を害されたにも比肩するような精神的苦痛を受けた場合には、近親者には民法709条、710条に基づいて、自己の権利として慰謝料請求権が認められます。
これは父母、配偶者、子などに限らず、被害者と一定の関係がある者に認められており、内縁の配偶者に慰謝料を認めた例もあります。被害者本人が生命を害されたにも比肩するような精神的苦痛を受けた場合とは、後遺障害等級が高位、特に1級である場合などです。
後遺障害の場合は、死亡の場合と異なり、被害者本人の後遺障害による慰謝料のほかに、近親者自身が被害者の介護のため自由が奪われるという精神的苦痛を受けるわけですから、近親者の慰謝料を請求した場合は、一般に慰謝料総額は、大きくなります。近親者の慰謝料の金額はケースによって異なりますが、判例によりますと、被害者本人の慰謝料の20~30%程度を認めるものが多いようです。


