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4 損害賠償額の傾向

損害賠償額の定額化・定型化

交通事故は死傷者数が膨大であり、かつ事故態様も共通するものが多いのが特徴です。したがって、同種、同様、同程度の事件について、損害賠償額が大きく異なることは不公平、不合理であること、被害者の早期救済のため、被害者側の損害額の立証負担を軽減し、かつ裁判所の事件処理の迅速化が必要であることなどから、損害賠償額の算定について、定額化、定型化が進められてきました。

定額化とは、入院中の付添看護費や雑費、葬儀費用、慰謝料等の各費目について特に具体的な立証を要することなく、たとえば入院雑費なら、入院1日につき1,400円~1,600円(「交通事故損害額算定基準」㈶日弁連交通事故相談センター編)というように一定額を認めるものです。また逸失利益や生活費控除割合、過失割合なども一定の基準により算定方法の定型化がおこなわれています。

交通事故の損害賠償額の高額化

交通事故の加害者から被害者へ支払われる損害賠償の額は高額化してきています。示談交渉が紛糾することもあって、交通事故は被害者・加害者双方の人生を大きく狂わせることなります。昭和30年代の判決では賠償額が100万円以上のものが数えるほどしかありませんでしたが、現在では1億円を超える判決も決してめずらしいものではありません。

交通事故高額賠償判決例(人身事故)

認定総損害額 様態 裁判所 事故年月日 判決年月日 被害者
性別 年齢 職業
382,810,000 後遺障害 名古屋地裁 H10.5.18 H17.5.17 29 会社員
378,860,000 後遺障害 大阪地裁 H14.12.11 H19.4.10 23 会社員
367,500,000 死亡 大阪地裁 H14.11.9 H18.6.21 38 開業医
359,780,000 後遺障害 東京地裁 H9.4.24 H16.6.29 25 大学研究科
353,320,000 後遺障害 千葉地裁
佐倉支部
H13.10.4 H18.9.27 37 アルバイト
347,910,000 後遺障害 大阪地裁 H8.10.21 H19.1.31 18 高校生
346,140,000 後遺障害 仙台地裁 H15.5.22 H19.6.8 25 会社員
336,780,000 後遺障害 千葉地裁 H12.8.18 H17.7.20 17 高校生
335,470,000 後遺障害 大阪地裁 H12.7.31 H18.4.5 17 高校生
335,310,000 後遺障害 東京地裁 H10.4.29 H16.12.21 32 銀行員
※「認定総損害額」とは、被害者の損害額(弁護士費用を含む)をいい、被害者の過失相殺相当額あるいは自賠責保険などの填補金を控除する前の金額、1万円以下は切り捨てます。

赤い本と青い本

交通事故の損害賠償の算定基準として、「赤い本」と「青い本」と呼ばれるものがあります。

「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(㈶日弁連交通事故相談センター東京支部編)を赤い本といい、「交通事故損害額算定基準」(㈶日弁連交通事故相談センター編)を青い本といいます。いずれも、交通事故を扱った民事裁判の過去の判例が紹介されています。
赤い本では、算定基準が一定の数字で書き方がされているのに対して、青い本の方は算定基準の上限と下限で書かれています。

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