交通事故専門弁護士トップ » 損害賠償責任 » 1 損害賠償請求権者 損害賠償を請求できるのは誰か

交通事故の無料法律相談

1 損害賠償請求権者 損害賠償を請求できるのは誰か

損害賠償を請求できるのは、もちろん交通事故の被害者です。死亡事故や傷害事故といった人身事故の場合は、交通事故によって負傷した人や死亡した人が被害者となります。物損事故の場合は破損した車両の所有者などが被害者です。しかし事故後の負傷の具合で被害者自身が請求できない場合や死亡事故の場合は被害者本人が請求できない場合もあります。

被害者が死亡した場合

被害者の相続人が損害賠償請求をすることになります。被害者が死亡した場合、損害賠償請求の請求権は次の順位で相続され、相続した相続人が請求することになります。(1)子(胎児を含む)・孫などの直系卑属(2)父母・祖父母など直系尊属(3)兄弟姉妹またはその子 なお配偶者はどの場合でも相続人となり損害賠償請求を行うことができます。

被害者が直接請求できない場合

交通事故によって被害者に死と同視できるような重大な後遺障害が残ったときは、一定の近親者(父母・配偶者および子)が法定代理人として損害賠償請求を行うことができます。

被害者が未成年者の場合など

被害者が未成年者のときは、本人に法的手続きをとる行為能力がないため、親権者が法定代理人として請求することになります。被害者が精神上の障害により事理弁識能力を欠く場合も同様に成年後見人(保佐人、補助人)が請求できます。

被害者が好意同乗者や配偶者の場合

車の所有者が好意同乗者(友人や恋人など)を乗せたときの事故の場合、乗せてもらった好意同乗者は損害賠償請求をすることができます。ただし、損害賠償額は一般の事故と同じような額では請求できず減額となります。また配偶者を同乗させたときの事故の場合は配偶者も損害賠償請求を行うことができますが、これも一般と比べて低い額となります。

配偶者・父母・子自身の慰謝料請求権

被害者が死亡した場合や被害者本人が生命を害されたにも比肩するような精神的苦痛を受けた場合には、近親者には民法709条、710条に基づいて、自己の権利として慰謝料請求権が認められます。これは父母、配偶者、子などに限らず、被害者と一定の関係がある者に認められており、内縁の配偶者(婚姻届出をしていない事実婚の配偶者)に慰謝料を認めた例もあります。死亡した被害者に相続人がいるときはトラブルになることも多く、相続法上さまざまな問題を含んでいます。

被害者本人が生命を害されたにも比肩するような精神的苦痛を受けた場合とは、後遺障害等級が高位、特に1級である場合などです。後遺障害の場合は、死亡の場合と異なり、被害者本人の後遺障害による慰謝料のほかに、近親者自身が被害者の介護のため自由が奪われるという精神的苦痛を受けるわけですから、近親者の慰謝料を請求した場合は、一般に慰謝料総額は大きくなります。近親者の慰謝料の金額はケースによって異なりますが、判例によりますと、被害者本人の慰謝料の20~30%程度を認めるものが多いようです。

« 損害賠償責任 目次へ戻る