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3 行政上の責任

交通事故を起こした運転者が受ける運転免許の取消しや停止等の処分を一般に行政処分といいます。行政処分は運転者に一種の不利益を与えるものですが、刑罰とは異なり、行政庁たる公安委員会が行います。ですから免許取消処分を受けたのち、同一行為について刑事裁判でも有罪とされても、憲法39条の二重処罰の禁止には違反しませんし、行政処分は刑事裁判のいかんにかかわらず、交通の安全を確保するために必要な措置を迅速適正に行うため、行政庁が独自の立場で行うことができます。行政上の処分も刑事上の処分と同様に事件件数の増加に伴い強化されています。

処分
免許の拒否・保留
道交法90条
運転免許を許可した者について、その運行行動歴に照らして、道路交通に危険を生じさせるおそれがあると認められる場合には、その危険の度合いに応じて免許を与えず(拒否)、または6カ月を超えない範囲で免許を留め置く(保留)という制度です。
免許の取消し・停止
道交法103条
免許を受けた者について、その後自動車等を運転する適格性がないと認める事由が生じた場合に、その事由の態様に応じて免許の効力を将来にわたって失わせ(取消し)、または6カ月を超えない範囲で免許の効力を停止するという制度です。
運転免許の取消し・停止処分がなされた場合、不服のある者は異議申立てを行うことができます。この申立ては、処分があったことを知った翌日から起算して60日以内に公安委員会に対して書面にて行います。

交通反則通告制度

交通違反のほとんどは交通反則通告制度という行政処分で処理されます。これは交通チケット制(青切符と呼ばれます。)とも略称されている制度です。軽微で定型的な交通違反事件について、反則金と呼ばれる一定の金額の納付を命じ、これを一定の期日内に納めた者には刑事処分を免除しようとするものです。違反点数が重なると免許停止や取消しになります。

交通刑事事件の激増に伴い、昭和43年7月1日から交通反則通告制度が実施されることになりました。この制度は行政段階で、簡易迅速な事件処理を行うことができます。現在は道交法違反事件の約9割がこの制度で処理されています。この反則金は刑罰としての罰金刑ではなく、行政庁が納付を通告する一種の制裁金で、納付義務があるわけではありません。処分の性質としてはあくまで行政処分ということになります。しかしこれを納付しなければ刑事手続等が開始されてしまいますので、実質的には行政処分と刑事処分の中間に位置するものといえるでしょう。

なお交通事故には、交通反則通告制度が適用されませんし、交通違反行為であっても、交通反則通告制度が適用されない場合があります。交通事故を伴う反則行為、酒酔い運転による反則行為、無免許・無資格運転者の反則行為、30㎞以上の速度超過、反復違反者の反則行為などは反則制度が適用されず、道路交通法違反として刑事責任を問われます。

交通違反の不服申立て

違反現場で警察官に反則切符を渡されたが不服がある場合は、その後送られてくる告知書に書かれている出頭先へ出向き不服を申し立てることができます。警察が不服を認めれば再調査を行い、誤りがあれば訂正をします。訂正された反則金に納得すれば納付し手続が終了となります。それでも不服があるときは、検察官や裁判官の前で不服申し立て機会が与えられます。

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