損益相殺
具体的な損害額を決定するために、損益相殺が行われる場合があります。被害者が加害行為によって不利益ばかりだけでなく、利益を受けることもあり、その場合利益を差し引いたものが真の損害というべきだという考えから出たものです。
たとえば、事故で負傷した被害者が、自賠責保険から支払いを受け、かつ加害者に全額賠償してもらったような場合、これは賠償金の二重取りとなります。こうした不公平がないように、賠償金の算定には、自賠責からの支払い分は賠償金から差し引いて決定されます。また死亡事故の場合、被害者は損害として逸失利益を失うことになりますが、将来の生活費の支出を逃れますので、その分を差し引いた残額が損害額となります。自賠責保険ではこの差引計算を損益相殺といいます。
損益相殺の問題については、(1)控除の対象となる給付といえるか、(2)いつまでの給付を控除すべきか(控除すべき時的範囲)、(3)どの相続人から控除すべきか(控除すべき主観的範囲)、(4)過失相殺がある場合、過失相殺と控除の先後関係をどうするかが問題となります。


